行政機能の集約化による新庁舎等整備

庁舎集約化に向けてのこれまでの経緯

 湧別町は、平成21年10月5日に旧上湧別町と旧湧別町が合併して新たな「湧別町」として誕生しました。
 合併時の庁舎の方式については、現在の上湧別庁舎を本庁舎とし、湧別庁舎を総合支所とした「本庁・総合支所方式」でありましたが、本庁・総合支所方式では、それぞれの庁舎に担当課を設置しなければならず効率が良くないことから、平成28年4月より、既存庁舎を活用した行政機構を見直し、住民サービスの向上を図るため、「分庁舎方式」に変更しました。この分庁舎方式は、将来的には「本庁・支所方式」が望ましく、分庁舎方式はその過程であり、合併10年をめどに既存庁舎を活用し庁舎を集約することとしてスタートしました。
 こうした状況を踏まえ、庁舎集約化を含む行政機能集約の基本方針の策定に向けて、合併10年目になる令和元年に、役場職員による庁内プロジェクトチームを立ち上げ、庁舎集約化に向けた検討を行い、懸案であった庁舎集約化の協議を進展させる予定でありましたが、令和2年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、執務室での感染拡大を防ぐため、集約ではなく、分散しなければならず、庁舎集約化に向けた協議の進展を図ることがかないませんでした。
 庁舎集約化を進めるにあたっては、合併推進債の借入期限の令和6年度が迫る中、令和4年6月に町民による「湧別町庁舎等検討委員会」を設置し集約化に向けた審議を進め、令和5年7月に策定しました「湧別町庁舎等集約化基本構想」に基づき、行政機能を維持しつつ防災拠点となりうる役場庁舎、行政のデジタル化に対応した役場庁舎として、上湧別地区の義務教育学校の開校に伴い令和7年3月で閉校となります中湧別小学校跡地に新庁舎を建設し行政機能の集約化を図るとともに、さらには、町内の保育環境および子育て支援の充実等を図るため、閉校となる中湧別小学校校舎を改修し有効活用を図ることとしました。
 この基本構想の内容をより具体化するため、新庁舎に求められる機能や規模、事業費など、基本設計の前提となる整備に向けた考え方を整理する「湧別町新庁舎建設等基本計画」を令和6年5月に策定いたしました。

庁舎等検討委員会(基本構想)での審議

 行政機能の集約を図るため、現在分散している役場庁舎集約に係る具体的な検討を行うことを目的に、地方自治法第138条の4第3項の規定により「庁舎等検討委員会」を設置し、町長からの諮問により「役場庁舎等集約化による庁舎等再配置および庁舎等整備に関する事項」の調査および審議を実施。

行政機能の集約を図るため、次の6つの方法を比較検討。
・上湧別庁舎を活用した集約(既存庁舎改修および増築)
・湧別庁舎を活用した集約(既存庁舎改修)
・文化センターTOMを活用した集約(既存施設改修および増築)
・中湧別小学校を活用した集約(既存校舎改修およぼ増築)
・庁舎新築による集約
・集約はせず現在の分庁舎を継続

庁舎等検討委員会からの答申内容
(1)庁舎の方式
 現在の分庁舎方式により分散している職員を集約し、行政の効率化の観点からも「本庁・支所方式」が望ましい。

(2)庁舎集約化の方法
 平成30年9月6日に発生しました北海道胆振東部地震を契機に、行政機能を維持しつつ防災拠点となりうる役場庁舎が求められ、また、新型コロナウイルス感染症に起因する行政のデジタル化に対応するため、さらには、庁舎整備に対する財政支援があるうちに、津波による災害リスクがなく地理的にも本町の中心に位置する、「中湧別地区に庁舎を新築整備」すること、その場合、既存の芭露出張所の存置はもちろんでありますが、現庁舎が所在する上湧別地区及び湧別地区に、窓口業務を担う出張所を設置することが望ましい。
 なお、建設候補地については具体的な特定はいたしませんが、委員会の意見として、庁舎、付随施設及び駐車場等が一体的に整備でき、さらに、災害等の有事の際に活用できる土地が十分確保が可能である、上湧別地区義務教育学校の開校に伴い閉校となる中湧別小学校跡地、又は、近隣に文化センターTOM、病院、金融機関等があり、庁舎を含めた各施設が集約される老人憩の家を含む周辺の町有地に建設を望むものです。
 また、既存庁舎を活用することにより集約に係る経費を抑えることができ、町の財政負担も少ない上湧別庁舎を増築改修し庁舎の集約を図る意見もありましたので、あわせて委員会としての意見として付記いたします。

庁舎等集約化基本構想(案)のパブリックコメント実施

庁舎等集約化基本構想の策定

庁舎等検討委員会(基本計画)での審議

 庁舎等集約化基本構想の内容をより具体化し基本設計の前提となる整備に向けた考え方を整理するものとして、新庁舎建設等基本計画を策定するため庁舎等検討委員会(基本計画)を設置し、町長からの諮問により「新庁舎に求められる機能、規模、その他新庁舎建設等基本計画の策定に必要な事項」について審議を実施。

庁舎等検討委員会(基本計画)からの答申内容

1.答申としての意見等
・24時間オープンスペースがあることが前提ですが、コインランドリー、宅配ボックスの設置。これに合わせてカフェマシンや軽食自販を備えた休憩・喫茶スペースがあれば利用が高まるのではと考えます。
喫茶スペースがそのように町民が集うような空間に利用されることにも期待 したいですし、学校帰りの湧別高校生の利用も考えられます。
・カフェの設置。住民が気軽に集え、行政が身近に感じられるようになると共に地元の食材を使い軽食など提供できれば高齢者の引きこもりの解消につながると考えます。
・避難所運営資機材を常備しておくための防災備蓄倉庫について、中湧別小学校設置個所を2階と明確にすべきと考えます。
・町民がオンラインで少人数でも学べる設備が整った研修室を作ると、町職員の研修等にも使用することができ、行政の質の向上が図れると考えます。
・通路を広くしてベンチを置き、腰をおろして靴を履き替えたり、ゆっくり準備ができるよう広く設計してはどうかと考えます。長靴の収納もできるように考えた方が良い。毎日使う場所ですから、快適に使えるように、ストレスが無いように整備してはどうかと考えます。
・職員が快適に働ける環境整備が必要と考えます。現在の庁舎で我慢していることなどの提案を職員の中から積極的にだしていただきたい。職員の就業環境が改善され、気持ち良く就業することが、町民サービスの向上につながると思います。
・視察したうえで、対面タイプが良いと考えます。
・議場は現在のように立派なものではなく、また、汎用性のあるものが良いと考えます。
・議会中継の環境整備については既に記載されているが、開かれた議会を目指すのならば、インターネットでの発信は是非とも実施していただきたい。
・視察した際にZEBReadyの取り組みの説明を受け、非常に良いものだと感じました。その様な取り組みを町が率先して導入していただきたいので、検討ではなくもっと前向きな文言にしていただきたい。
・新築庁舎への導入に向けて町職員は対町民への説明に向けて知識を深めていただきたい。
・将来世代に負の遺産とならないように、天井の高さを持たせるなどといった見た目を重視するような無駄は不要で、必要最低限の機能を持たせた庁舎にしていただきたい。
・庁舎内の案内表示は、壁だけでなく空間、特に床には何もないため、その辺を上手く活用しながら優しい環境にしていただきたい。
・案内表示については、幅広い年代の方々の視線の高さを意識することや、町民が分かりやすい言葉を意識しながら検討していく必要があると考えます。
・町有林という財産を持っているので、すべて鉄筋コンクリート造にするのではなく、柔らかみを感じる木材を有効利用していただきたい。
・天候に関わらず親子で遊ぶ空間の設置。
・道内の自治体へ防災対策の視察に行った際、体育館の壁に緊急時に救急用として使用するベッドを収納している設備を整備している事例があり、便利だと感じた。
・中湧別小学校改修整備の必要な機能について、様々な機能を持たせる予定となっているが、今後の世代の負担を軽減するためには必要最低限の部分だけ活用する方が良いと考えます。
・新庁舎と改修する中湧別小学校の間に渡り廊下などの整備を前向きに検討していただきたい。
・高齢者や子どもは乗り降りに介助が必要な場合もありますし、雨天の場合は傘を開いたり閉じたり、駐車場の車間が広ければ楽です。また、狭いとドアを開けた際に隣の車にドアをぶつけることがあります。十分な車間があれば、そのリスクは低くなります。全部を身体障がい者等用の駐車スペース並みにはできないと思いますが、可能な限り車間を確保していただきたい。
・町長など特別職の方が働いている姿が見えると親近感があっていいと考えます。
・実施設計において、将来的な人口減少やデジタル化などを見据えながら、様々な変化に対応可能なシンプルで機能的な使いやすい庁舎となるよう努めてください。
2.今後の進め方に対する意見
・今後の基本設計・実施設計において、将来的な人口減少やデジタル化などを見据えながら、様々な変化に対応可能なシンプルで機能的な使いやすい庁舎となるよう努めてください。
・近年の著しい物価高騰などを踏まえ、将来の財政的な負担も考慮し、建設費及び維持管理費等の低減が図られるよう努めてください。

新庁舎建設等基本計画(案)のパブリックコメント実施

新庁舎建設に関する要望について

「みんなで湧別の明日を考える会」より、現在、町で進めています行政機能の集約化による新庁舎等の整備について、「新庁舎建設計画の白紙撤回」の要望がありました。

新庁舎建設等基本計画の策定

行政機能集約化に係る関連広報記事

お問い合わせ先

総務課庁舎等整備準備室(上湧別庁舎)電話01586-2-2112