“ヒグマ学とうんち学”5回目の湧別町民大学を開催
11月24日(木曜日)、最終回を迎える第5回湧別町民大学が文化センターTOMで開催されました。
今回は、私たちの身近に住む動物である「ヒグマ」をテーマに、北海道大学大学院理学研究院教授 増田隆一さんを講師に迎え、ヒグマ学とうんち学~動物の進化と多様性を探る~と題し、ヒグマが北海道に生息するルーツや頭骨標本からわかる動物の生態について、実際に頭骨標本を手に具体的説明が行われ、この日集まった80人の受講者は熱心に聞き入っていました。
増田さんは用意した動物の頭骨を実際に手に取り、骨からわかる情報を分析することで個体年齢や性別、その個体が何を主食としていたかなど食性も明らかにできるとの説明に受講者は一様に驚きの表情を見せていました。
また、「うんち学」として木の実を食べたヒグマが森を動き回り排せつ物で種子が運ばれ、ヒグマが森をつくること、また、ヒグマは川を遡上するサケを捕獲し食する、その死骸残さが海に流れ海洋生物がエサとする。ヒグマは森林生態系から河川・海洋生態系まで関わる物質循環の運び屋として重要な役割を果たしており、ヒグマと共存することが必要であることが再認識されました。近年は人間の生活圏にヒグマが出没することが多くなり、増田さんから「ヒグマに出会わないようにすること、そして引き寄せないようにすること、それが人とヒグマが共存していくために大切なこと」とアドバイスがありました。
本年度の生涯学習講座「湧別町民大学」は全5回開講され、全ての講座を修了した方は33人おりました。来年も豊富な講師陣を招いての開講が予定されております。たくさんの皆さんに受講いただけるようお待ち申し上げております。