“幕末の探検家松浦武四郎が見た167年前の湧別”湧別町民大学の第4回講座
令和7年10月29日(水曜日)、第49回湧別町民大学の第4回講座が文化センターTOMで開催されました。
今回の講座では、松浦武四郎記念館館長の山本命さんを講師に迎え、「幕末の探検家松浦武四郎が見た167年前の湧別」と題した講演が行われました。当日は町内からの受講者だけでなく、歴史好きの町外の方々も多く集まりました。
幕末から明治維新期にかけて活躍し、「北海道」の名付け親としても知られる探検家の松浦武四郎は、生涯にわたり6回、当時蝦夷地と呼ばれていた北海道を訪れ調査を行いました。そのうち3回湧別町を訪れ、アイヌの人々とともに湧別川沿いの地名などを記録して回っています。湧別川で拾った黒曜石を持ち帰り、現在も三重県にある記念館に展示されているそうです。
武四郎が提案した「北加伊道」という名称の「カイ」は、アイヌ語で「ここに生まれた者」を意味しており、アイヌ文化への尊重が込められています。北海道を訪れるたびにアイヌの人々の窮状を憂いていたことが膨大な資料の中に残されています。
講演の中で山本さんは、「若い頃から日本全国を自らの足で歩き、各地域の住民とともに調査を行ってきた環境が、自分と異なる文化を受け入れ、それを認めることのできる武四郎の人柄を作り上げた」と話しました。
今年度の生涯学習講座「湧別町民大学」の最終回となる第5回講座は、11月21日(金曜日)に開催され、北海道大学大学院教授の坪田敏男さんを講師に迎えて「ヒグマはなぜ人里に出没するのか」と題した講演が行われます。
