“もっと知りたいアイヌの話”5回目の湧別町民大学を開催

川村カ子トアイヌ記念館館長の川村晴道さんと、副館長で母の川村久恵さん
ムックルという楽器の演奏も親子で披露

 11月13日(水曜日)、最終回を迎える第5回湧別町民大学が文化センターTOMで開催されました。
 今回は、旭川市にある川村カ子トアイヌ記念館館長の川村晴道さんと、副館長である母の川村久恵さんを講師に迎え、「もっと知りたいアイヌの話~上川アイヌの若き館長とお母さん~」と題した講演を行いました。
 開館から108年の歴史を持つ川村カ子トアイヌ記念館は、代々川村家が館長を務めており、晴道さんは昨年4代目館長に就任しました。
 川村家の家系はおよそ300年前には上湧別地区に居住していたそうで、丸瀬布に狩場があったといいます。
 講演では、北海道におけるアイヌの歴史や文化、カムイと呼ばれる神々との関わりが紹介され、久恵さんは「自然との共生を大切にし、旬の時期にしか狩りや植物採取をしないという生活様式は、現在のSDGsの理念とも重なる」と話し、最後にはムックルという楽器の演奏も親子で披露されました。
 20代の晴道さんは「10代の頃は同級生にからかわれて、アイヌに対してネガティブな感情を抱いていたが、父の体調不良をきっかけにアイヌに対して真摯に向き合った。まだまだ勉強中で、今でもやらされているという感覚を持つこともあるが、館長として歴史を受け継いでいきたい」と語りました。
 本年度の生涯学習講座「湧別町民大学」は全5回開講され、33人がすべての講座を修了しました。来年も豊富な講師陣を招いての開講が予定されています。たくさんの皆さんに受講いただけるようお待ちしています。