“1,000年前の竪穴式住居群”遺跡調査報告会が行われました

林さんによる説明
高瀬教授による説明

 11月2日(土曜日)、今年の夏に調査が行われたシブノツナイ竪穴式住居群(川西)の調査報告会が「1,000年前の竪穴式住居群」と題してふるさと館JRYで開催され、町内外から約50人が参加しました。
 シブノツナイ竪穴住居群は、約1,000年前の竪穴住居跡を主体とする北海道指定史跡です。これまでに530基の竪穴住居跡が確認されており、今回は6年前に一部を発掘し、年代が不明だった円形の竪穴住居跡で再度発掘調査が行われました。
 報告会では、町学芸員の林勇介さんから、形の異なる住居跡が、どれも擦文文化の後期に造られている可能性が高いこと、地形測量により詳細な地形データが得られたことなどが報告され、食性分析や景観復元、また遺跡の保存するべき範囲の整理をすることが今後の課題だと話しました。
 また、北海道大学大学院文学研究院考古学研究室教授の高瀬克範さんにより、川西オホーツク遺跡から探る擦文文化についての報告があり、擦文文化における海への依存度や、何が交易品として利用されていたかなどを明らかにしていくことが課題だと話したほか、遺跡の保存や活用方法について語られました。参加者は、徐々に明らかになっていく当時の暮らしに、期待を隠せない様子でした。