“いじめや子どもの問題行動の根源的なアプローチとして”ピースフルスクールのワークショップ開催

ワークショップの様子
こども園でサルとトラの劇の実践

 11月15日(木曜日)、オランダで開発された社会形成・社会参加の意識を育むシティズンシップ教育の一つ、ピースフルスクールプログラム(PSP)のワークショップが上湧別コミュニティセンターで行われました。PSPを日本に導入した一般社団法人21世紀学び研究所代表理事の熊平美香さんを講師に迎え、保育士や保護者20数人が出席しました。
 PSPは1990年代、いじめや子どもの問題行動が増加し、対処療法ではなく根源的なアプローチとして開発され、現在は、オランダ全土の約15%の学校に導入されています。湧別町では芭露保育所、湧別認定こども園で実践されています。
 熊平さんはワークショップで、「民主的な社会とは多様な人々が安心して幸せに共生することができる社会である」とPSPの狙いを説明し、幼児期の子どももプログラムを通して自立(主体性)と共生の2つの力を学ぶことができると述べました。PSPは「自分の意見を持とう」「いやな時は『やめて』と言おう」「対立とけんかの違い」などをサルとトラの劇を通して子どもたちが自分なりの考えを伝えることによって「聴く」「話す」といったコミュニケーションの基礎を磨けるプログラムになっています。
 15日午前には芭露保育所、湧別認定こども園で「けんかをした時、どのように仲直りすればいいのかを考える」をテーマにPSPが行われ、子どもたちが対立した時に3種類の対応方法があることを、赤色の帽子(けんか)、青色の帽子(相手の言いなり)、黄色の帽子(話し合い)を使って、自分たちの帽子の色を知り、黄色の帽子で対応することの大切さを学びました。
 熊平さんは「湧別町は日本におけるPSPの先進地域であり、PSPを定着させ、その素晴らしさを発信してほしい」と語っています。