○湧別町民有林整備事業竣工検査要領
令和3年6月1日
訓令第5号
(趣旨)
第1条 この要領は湧別町民有林整備事業補助金交付要綱(令和3年告示第62号。以下「要綱」という。)第5条に規定する竣工検査(以下「検査」という。)は、この要領により実施する。ただし、現地が完了しているもので、申請者から書面等により現地確認の要請があり、町長が申請書受理以前の確認が必要であると認めた場合は、現地検査を実施して差し支えないものとする。
(検査員)
第2条 検査は検査員が行うものとする。
2 検査員は、町長が指定し、厳正かつ公平に検査を行わなければならない。
3 検査員は、検査計画を立て当該申請者に検査日程等を通知するものとする。
(立会)
第3条 検査員は、検査を実施する場合には、原則として要綱第4条に規定する森林組合を立会させて行うものとする。
2 申請者は、立会にあたり書類検査に必要な関係書類の整備及び現地検査における説明及び計測等について検査に協力しなければならない。
(検査の区分及び現地検査の省略等)
第4条 検査は、書類検査及び現地検査とし、申請のあった要綱第2条に規定する事業内容ごとの施業地1箇所ごとに、原則として行うものとする。
2 UVA(ドローン等の無人航空機)で撮影したオルソ画像等が添付された申請があった場合は、当該オルソ画像等で現地の状況を確認することとし、現地検査を省略することができるものとする。
3 書類検査は全施業地について実施し、現地検査にあっては第1項の規定にかかわらず、次の事業内容の施業地については、現地検査を省略することができるものとする。
(1) UAV(ドローン等の無人航空機)で撮影したオルソ画像等が添付された申請があった場合は、事業完了後のオルソ画像等で現地の状況を確認することができる場合は、現地検査を省略することができるものとする。
(2) 森林組合が実施する事業にあっては、次の事業内容ごとに定めた申請面積未満の施業地のうち、無作為に抽出する10パーセント以上に相当する数の施業地を除く施業地
ア 除伐、保育間伐、間伐、枝打ち 3ヘクタール
イ 被害地造林、忌避剤散布 2ヘクタール
ウ 下刈り 5ヘクタール
(3) 災害又は当該検査中に天候状況が悪化するなど、現地検査に支障を生ずると検査員が判断し、かつ、当該検査日以降の検査期間に振り替えて現地検査を実施することが困難であるなど、やむを得ず当該施業地の現地検査の実施が不可能と判断した施業地。なお、やむを得ず現地検査を実施することができなかった場合は、その理由等を検査報告書の「所見・特記事項」欄に記載すること。
4 検査員において、現地検査の省略が適当でないと判断される場合には、現地検査箇所数を追加して行うことができるものとする。
5 町長の判断により、疑義が認められる補助金交付申請を行った事業主体に対しては、一定期間、現地検査の省略を適用しないものとする。
(検査の認定)
第5条 検査の結果、現地検査において当該施業地が要綱に定める規定に適合しない場合、又は、書類検査において不備と認められる場合は竣工と認めず、不合格又は一部不合格である旨を申請者に通知するものとする。
2 前項の不合格又は一部不合格である施業地若しくは不備と認められる書類で、当該年度内のうち、町長が定める期間内に手直しを行ったものについては、再検査を行うものとする。
(検査調書)
第6条 検査員は、検査の結果に基づき、湧別町民有林整備事業竣工検査調書(別記様式)を作成するものとする。なお、検査員は、検査の実施にあたり、必要と認められる事項を「所見・特記事項」欄に記載し、これに押印するものとする。
2 検査調書は、補助金等交付申請書の関係書類として編纂し、当該事業が完了した日の属する年度の翌年度の初日から5年間保管しなければならない。
2 申請書類等の記載内容とその裏付けとなる次の事項を確認するものとする。
(1) 面積等
面積の検査は、申請面積と照査して確認する。なお、照査の方法は、北海道の「造林補助金交付申請書に添付する造林地実測図の照査方法」(昭和48年7月18日造林第817号。以下「照査方法」という。)によるものとする。
(2) 添付すべき書類
ア 実測図
照査方法によるほか、空中写真等を活用し除地として取り扱うべき箇所の有無を確認するものとする。
イ 造林事業竣工調書
要綱第4条第7項に規定する造林事業竣工調書を、現地検査と合わせ確認をするものとする。
ウ 総括位置図
申請された施業地が表示されているか確認するものとする。
エ 社会保険等の加入実態状況調査表
当該施業地の現場労働者における社会保険の加入実態及び作業状況を証明するための書類により確認するものとする。
オ 事業写真
事業着手前及び事業完了後に撮影した写真について確認するものとする。
(3) 森林経営計画
次の事項について、計画書等により確認するものとする。
ア 森林経営計画の作成状況
(ア) 各施業地の事業内容が当該計画に登載されていること。
(イ) 事業の着手・完了年月日が当該計画期間内であること。また、計画が追加又は変更されている施業地の場合は、事業の着手年月日が変更後の施業を開始しようとする日以降であること。
(ウ) 事業期間が2つの森林経営計画の計画期間にまたがる施業地がある場合は、両計画の計画期間に連続性が認められ、かつ、事業内容が両計画に登載されていること。
イ 森林経営計画の運用状況
森林経営計画の認定請求や実行管理などの事務が適正に行われているかを確認するものとする。
(4) 作業を実施した者との委託又は請負契約書
(5) その他
事業の実行で使用した資材については、領収書、購買伝票等により、また、間伐等における搬出材積については、検知野帳、出荷先の入荷伝票、出荷伝票などにより数量が把握できる書類により確認するものとする。
2 現地検査を実施した施業地は、造林事業竣工調書の摘要欄に現地検査を実施したことが分かるよう記載する。
3 検査員は、現地検査時における検査状況の写真を撮影し、保管するものとする。
4 事業内容別の現地検査項目については、次のとおりとする。
(1) 下刈り
検査は、施業地の状況等について行うものとし、その方法等は次のとおりとする。
ア 施業地の刈り払い方法、回数について区分と照合するものとする。
イ 施業地の平均的な傾斜について区分と照合するものとする。
ウ 施業地の植生分布について区分と照合するものとする。
(2) 除伐、保育間伐
検査は、施業地の状況等について行うものとし、その方法等は次のとおりとする。
ア 施業地の選木・伐採方法(列状区分)・作業内容について区分と照合するものとする。なお、枝払・玉切の実施率は伐採木に対する率を事業着手前に設定した標準地内で検査するほか、必要に応じて検査時に新たに標準地を設定して検査を行うとともに、直径10センチメートル以上の伐採木に対する玉切の実施状況を確認するものとする。
イ 不用木が残存していないか確認するものとする。
ウ 森林組合等が設置した標準地内の実施状況(残存本数、伐採木若しくは伐根)について確認するものとする。
エ 森林組合等が設置した標準地が適当でないと判断される場合は、新たに標準地を設定して検査を行うものとする。
オ 保育間伐において、伐採しようとする不良木の胸高直径の平均が18センチメートル未満の林分で実施された施業地は平均胸高直径調査表に基づき、当該林分の伐採木からの推計及び調査野帳等により確認する。また、気象害等の被害を受け不良木となったものを林内から除去している場合は、伐採木の林内からの除去の状況について確認するものとする。
(3) 間伐
検査は、施業地の状況等について行うものとし、その方法等は次のとおりとする。なお、植栽木以外の新たに侵入してきた有用更新木等も含めた施業を実施している施業地がある場合には、当該施業地の今後の森林整備方針を申請者等に確認するものとする。
ア 施業地の選木、伐採方法(列状区分)、作業内容について区分と照合するものとする。なお、枝払・玉切の実施率は伐採木に対する率を事業着手前に設定した標準地内で検査するほか、必要に応じて検査時に新たに標準地を設定して検査を行うとともに、直径10センチメートル以上の伐採木に対する玉切の実施状況を確認するものとする。
イ 不良木、不用木が残存していないか確認するものとする。
ウ 森林組合等が設置した標準地内の実施状況(残存本数、伐採木若しくは伐根)について確認するものとする。
エ 森林組合等が設置した標準地が適当でないと判断される場合は、新たに標準地を設定して検査を行うものとする。
オ 伐採木の搬出材積の確認は、土場等に残っている搬出材、現地野帳との照合をするほか、施業地内の伐根、林地残材、伐採率等の状況から搬出材積を推定し、申請搬出材積と照合し確認するものとする。
(4) 枝打ち
検査は、施業地の状況、枝打ち本数、枝打ち高について行うものとし、その方法等は次のとおりとする。
ア 枝打ち本数、枝打ち高については、森林組合等が設置した標準地内の実施本数及び枝打ち高について確認するものとする。
イ 森林組合等が設置した標準地が適当でないと判断される場合は、新たに標準地を設定して検査を行うものとする。
(5) 鳥獣害防止
忌避剤散布の検査は、施業地の状況等について行うものとし、その方法等は次のとおりとする。
ア 森林組合等が設置した標準地内の実施状況(実施本数)について確認するものとする。
イ 森林組合等が設置した標準地が適当でないと判断される場合は、新たに標準地を設定して検査を行うものとする。
(6) 被害地造林
ア 施業地の状況、地拵方法
(ア) 施業地の地拵方法について区分と照合するものとする。
(イ) 施業地の造林林種について区分と照合するものとする。
(ウ) 施業地の平均的な傾斜について区分と照合するものとする。
(エ) 施業地の植生分布について区分と照合するものとする。
イ 植栽(申請)本数(苗間・列間)
植栽本数の検査は、申請時の造林用苗木配布台帳により確認するものとする。
ウ 苗木規格の検査
検査方法は、10本以上の植栽苗木の根元径(mm)、苗長(cm)について無作為に計測するものとする。
エ 活着率、枯損率
無造作に抽出した箇所において、植栽木の活着状況、枯損苗木の本数を確認して、枯損率及び活着率を算出するものとする。
附則
この要領は、公布の日から施行する。