○湧別町職員の懲戒処分等の指針

令和7年3月6日

訓令第2号

第1 懲戒処分の量定

本指針は、湧別町職員の懲戒処分を厳正かつ公正に行うために、処分量定を決定するに当たり、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

職員が非違行為を行った場合の標準的な懲戒処分の種類は、別表に定めるところによる。

(1) 具体的な処分量定の決定に当たっては、次に掲げる事項を総合的に考慮して決定するものとする。

ア 非違行為の動機、態様及び結果

イ 故意又は過失の度合い

ウ 非違行為を行った職員の職責及び職責と非違行為との関係

エ 他の職員及び社会に与える影響

オ 過去における非違行為の有無

カ 日頃の勤務態度や非違行為後の対応等

キ その他特別な事情

(2) 処分量定の決定に当たり、次に掲げる場合においては、別表の量定基準よりも重い処分を課すことができるものとする。

ア 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質である場合又は非違行為の結果が極めて重大である場合

イ 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高い場合

ウ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きい場合

エ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがある場合

オ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていた場合

(3) 処分量定の決定に当たり、次に掲げる場合においては、別表の量定基準よりも軽い処分を課すことができるものとする。

ア 職員自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出た場合

イ 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められる場合

(4) 飲酒運転、交通事故及び交通法規違反については、湧別町職員交通事故等による責任審査基準(平成21年訓令第17号)に定めるところによる。

2 別表に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては別表に掲げる取扱いを参考として判断する。

また、処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性、過失の程度、事故後の対応等も情状として考慮の上、判断するものとする。

第2 懲戒処分を受けた者の定期昇給及び勤勉手当の取扱い

懲戒処分を受けた者に対する定期昇給及び勤勉手当の支給の取扱いについては次による。

(1) 定期昇給の抑制

ア 戒告 4号俸以内の昇給抑制

イ 減給 5号俸以内の昇給抑制

ウ 停職 6号俸以内の昇給抑制

(2) 勤勉手当の減額

ア 戒告 基本額に100分の10を乗じた額以内を減額

イ 減給 基本額に100分の50を乗じた額以内を減額

ウ 停職 支給しない

エ 免職 支給しない

第3 懲戒処分の審査

懲戒処分の決定にあたっては、その処分が公正・公平で適切なものとするために湧別町職員の懲戒処分等審査委員会を設置し、本指針に定める内容をもとに審査を行うことができるものとする。

第4 懲戒処分の公表

職員の懲戒処分を行った場合には、次により公表する。

1 公表対象

次のいずれかに該当する懲戒処分は、公表するものとする。

(1) 職務遂行上の行為又はこれに関連する行為に係る懲戒処分

(2) 職務に関連しない行為に係る懲戒処分のうち、免職又は停職である懲戒処分

2 公表内容

事案の概要、処分量定及び処分年月日並びに所属、役職段階等の被処分者の属性に関する情報を、個人が識別されない内容のものとすることを基本として公表するものとする。

3 公表の例外

被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等1及び2によることが適当でないと認められる場合は、1及び2にかかわらず、公表内容の一部又は全部を公表しないことも差し支えないものとする。

4 公表時期

懲戒処分を行った後、速やかに公表するものとする。ただし、軽微な事案については、一定期間ごとに一括して公表することも差し支えないものとする。

5 公表方法

ホームページへの掲載、新聞社等への資料の提供その他適宜の方法によるものとする。

第5 その他

職員の懲戒処分の手続については、湧別町職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(平成21年条例第34号)による。

別表(懲戒処分の種類)

1 一般服務関係

非違行為の種類

標準的な懲戒処分

欠勤

正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合

減給、戒告

正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合

停職、減給

正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合

免職、停職

遅刻・早退

勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合

戒告

休暇の虚偽申請

病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合

減給、戒告

勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合

減給、戒告

職場内秩序を乱す行為

他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合

停職、減給

他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合

減給、戒告

虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合

減給、戒告

違法な職員団体活動

地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は町の活動能率を低下させる怠業的行為をした場合

減給、戒告

地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合

免職、停職

秘密漏えい

職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

免職、停職

上記の場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした場合

免職

具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

停職、減給、戒告

政治的目的を有する文書の配布

地方公務員法第36条第2項の規定に違反して政治的目的を有する文書を配布した場合

戒告

兼業の承認等を得る手続のけ怠

営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った場合

減給、戒告

入札談合等に関与する行為

町が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合をそそのかすこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合

免職、停職

個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合

減給、戒告

個人情報の盗難、紛失又は流出

過失により個人情報を盗まれ、紛失し、又は流出させ、公務の運営に支障を生じさせた場合

減給、戒告

公文書の不適正な取扱い

公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した場合

免職、停職

決裁文書を改ざんした場合

免職、停職

公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

停職、減給、戒告

セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)

暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合

免職、停職

相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合

停職、減給

わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

免職、停職

相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合

減給、戒告

パワー・ハラスメント(職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなもの)

パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合

停職、減給、戒告

パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した場合

停職、減給

パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた場合

免職、停職、減給

マタニティ・ハラスメント(妊娠又は出産したことを理由として行われる不利益な取扱い又は精神的若しくは身体的苦痛を与える言動)

妊娠又は出産したことを理由として、差別、人権侵害その他不利益な取扱い又は精神的若しくは身体的苦痛を与える言動(以下「妊娠・出産したことに対する嫌がらせ」という。)を繰り返した場合

停職、減給

妊娠・出産したことに対する嫌がらせを執拗に繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

免職、停職

体罰

体罰を加え、児童生徒等を死亡させ、又は重大な障害を負わせた場合

免職、停職

体罰を加え、児童生徒等に障害を負わせた場合

停職、減給

上記以外の体罰を加えた場合

戒告

不適切な指導

客観的に見て児童生徒等に著しい精神的苦痛又は身体的苦痛を与え得る不適切な指導を行い、児童生徒等を死亡させ、又は重大な傷害を負わせた場合

免職又は停職

客観的に見て児童生徒等に著しい精神的苦痛又は身体的苦痛を与え得る不適切な指導を行い、児童生徒等に傷害を負わせた場合

停職又は減給

客観的に見て児童生徒等に著しい精神的苦痛又は身体的苦痛を与え得る不適切な指導を行い、児童生徒等の人格又は尊厳を害した場合

戒告

公務員倫理違反

利害関係者から金品を受領し、又はその要求若しくは約束をした場合

免職、停職、減給

利害関係者からの飲食、遊戯、スポーツ又は旅行の接待を受けた場合

戒告

(注) 処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。

2 公金官物取扱い関係

非違行為の種類

標準的な懲戒処分

横領

公金又は官物を横領した場合

免職

窃盗

公金又は官物を窃盗した場合

免職

詐取

人を欺いて公金又は官物を交付させた場合

免職

紛失

公金又は官物を紛失した場合

戒告

盗難

重大な過失により公金又は官物の盗難に遭った場合

戒告

官物損壊

故意に職場において官物を損壊した場合

減給、戒告

失火

過失により職場において官物の出火を引き起こした場合

戒告

諸給与の違法支払・不適正受給

故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した場合及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合

減給、戒告

公金官物処理不適正

自己保管中の公金の流用等公金又は官物の不適正な処理をした場合

減給、戒告

コンピュータの不適正使用

職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合

減給、戒告

3 公務外非行関係

非違行為の種類

標準的な懲戒処分

放火

放火をした場合

免職

殺人

人を殺した場合

免職

傷害

人の身体を傷害した場合

停職、減給

暴行・けんか

暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合

減給、戒告

器物損壊

故意に他人の物を損壊した場合

減給、戒告

横領

自己の占有する他人の物(公金及び官物を除く。)を横領した場合

免職、停職

遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合

減給、戒告

窃盗・強盗

他人の財物を窃取した場合

免職、停職

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合

免職

詐欺・恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合

免職、停職

賭博

賭博をした場合

減給、戒告

常習として賭博をした場合

停職

麻薬等の所持等

麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした場合

免職

酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合

減給、戒告

淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合

免職、停職

痴漢行為

公共の場所、乗物等において痴漢行為をした場合

免職、停職

盗撮行為

公共の場所、乗物等において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした場合

免職、停職

わいせつ行為

強制わいせつ、のぞき、その他のわいせつな行為を行った場合

免職、停職

ストーカー行為

ストーカー行為をした場合

停職、減給、戒告

ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)に基づく警察による警告を受けたにもかかわらず、なおストーカー行為をした場合、又はストーカー行為をしたことにより相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させる等の悪質なストーカー行為をした場合

免職、停職

4 監督責任関係

非違行為の種類

標準的な懲戒処分

指導監督不適正

部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた場合

減給、戒告

非行の隠ぺい、黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合

停職、減給

湧別町職員の懲戒処分等の指針

令和7年3月6日 訓令第2号

(令和7年3月6日施行)

体系情報
第4編 事/第2章 分限・懲戒
沿革情報
令和7年3月6日 訓令第2号