○湧別町開盛頭首工管理条例施行規則
平成30年12月20日
規則第18号
(趣旨)
第1条 この規則は、湧別町開盛頭首工管理条例(平成30年条例第27号)の施行について、別に定めのあるものを除くほか、開盛頭首工(以下「頭首工」という。)の操作及び管理に関し必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この規則において「洪水」とは、頭首工地点における河川流量が毎秒600立方メートル以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生しているとき(取水期間に限る。以下同じ。)をいう。
2 この規則において「洪水警戒時」とは、紋別南部地方を対象として大雨警報が発せられ、その他洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時から、この警報が解除され又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれが少ないと認められるまでの間で、洪水時を除く期間(取水期間に限る。以下同じ。)をいう。
(管理者の業務)
第3条 町長は、頭首工を管理するため河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第50条第1項の規定に準ずる管理責任者(以下「管理者」という。)を置き、頭首工を管理するものとする。
2 管理者は、法及びこれに基づく命令並びにこの規則に定めるところにより、頭首工の管理に関する業務を誠実に行わなければならない。
(頭首工の諸元等)
第4条 頭首工の諸元その他これに類する頭首工の管理上参考となるべき事項は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 頭首工
ア 堤体
(ア) 堤体標高
可動部堤頂高 標高50.53メートル
(イ) 堤体長
可動部長さ 73.00メートル
イ 洪水吐ゲート
(ア) ゲートの規模及び数 高さ2.80メートルで幅23.00メートルのもの3門
(イ) ゲートの開閉の速さ 1分間につき0.30メートル
ウ 土砂吐ゲート
洪水吐ゲートを併用
エ 魚道
規模及び数 幅3.10メートルで延長30.30メートルのもの2連
オ 取水ゲート
ゲートの規模及び数 高さ1.65メートルで幅1.20メートルのもの1門
カ 取水バルブ
バルブの規模及び数 内径 0.100メートルのもの1箇所
(2) 集水面積
直接集水面積 1,335.4平方キロメートル
(3) 計画高水流量 毎秒1,800立方メートル
(4) 計画高水位 標高53.45メートル
(5) 最大取水量 毎秒0.421立方メートル
(6) 計画取水位 標高50.53メートル
(かんがい期間)
第5条 頭首工のかんがい期間は、毎年3月21日から11月30日までとする。
(水位等の算定方法)
第6条 頭首工地点の河川の水位(以下「頭首工の水位」という。)は、洪水吐ゲート右岸側堰柱に取り付けられた水位計の読みに基づいて算定するものとする。
2 頭首工地点の河川流量は、頭首工からの取水量及び洪水吐ゲートからの放流量並びに魚道からの流下量を合算して算定するものとする。
(水位の制限)
第7条 頭首工の水位は、洪水吐ゲートにより標高50.83メートルを超えて堰上げしてはならない。
2 管理者は、前項に規定する水位以下において、かんがい用水の取水を行い、かつ、河川の水位を恒常的に維持させるよう努めなければならない。ただし、洪水吐ゲートにより頭首工の水位を堰上げしてない場合は、この限りでない。
区分 | かんがい期間 | 年間 総取水量 2,640千立方メートル | ||||
3/21~4/30 | 5/1~7/31 | 8/1~8/31 | 9/1~9/30 | 10/1~11/30 | ||
本取水 (立方メートル毎秒) | 0.003 | 0.421 | 0.230 | 0.009 | 0.002 |
(取水の方法)
第9条 かんがい用水の取水は、頭首工の水位及び取水量に応じて取水ゲートの開度調節により行うものとする。
(取水量の測定等)
第10条 取水を開始するときは、あらかじめ、取水量の測定の精度に関する資料を河川管理者に提出し、適正である旨の確認を受けるものとする。また、これを変更しようとするときも、同様とする。
2 取水量は、頭首工右岸取水口に設置された自記水位計及び自記流量計により測定するものとする。
3 取水量の正確な測定を期するため、少なくとも毎年1回、取水量の測定地点において、流量の検証を行うものとする。
(義務放流量)
第11条 義務放流量は、3月21日から11月30日までの期間、頭首工地点の河川流量の範囲内において、毎秒4.061立方メートルとする。
(放流量の制限)
第12条 頭首工ゲートにより頭首工の水位を堰上げしている場合において、頭首工ゲートを開閉して放流量を変動させる場合(以下「放流」という。)は、下流の水位に急激な変動を生じないように、別図第1に定めるところにより行わなければならない。
(頭首工ゲートの操作等)
第13条 頭首工ゲートの名称は、右岸に近いものから左岸に向かって順次「第1号ゲート」、「第2号ゲート」及び「第3号ゲート」という。
3 洪水吐ゲートの1回の開閉の動きは、30センチメートルを超えてはならない。ただし、頭首工地点の河川流量が急激に増加している場合において、第7条の規定を維持するためやむを得ないと認められるときは、この限りでない。
4 一の洪水吐ゲートを開閉した後、引き続いて他の洪水吐ゲートを開閉するときは、当該洪水吐ゲートが停止したときから少なくとも30秒経過した後でなければ他の洪水吐ゲートを始動させてはならない。
5 洪水吐ゲートは、取水の必要がないときは、全開していなければならない。ただし、洪水吐ゲートの点検又は整備を行うため及び堆積土砂等を処理する必要があるときは、この限りでない。
(1) 操作の理由
(2) 開閉したゲートの名称、各回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度
(3) ゲートの各回の開閉を終えた時における頭首工の水位、放流量及び取水量
(4) 放流量が最大となった時刻及び放流量
(5) 次条第2項の規定による警告の実施状況
(放流の際の一般に周知させるための措置)
第15条 放流によって下流の水位が急激に上昇するおそれがある場合において、これによって生ずる危険を防止するため必要があると認められるときは、あらかじめ、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。
3 第1項の一般に周知させるため必要な措置は、頭首工地点から、富美川合流地点までの湧別川の区間についてとるものとする。
(点検及び整備等)
第16条 頭首工及び附帯施設並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に、及び時宜によりその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。特に洪水又は暴風雨、地震その他これに類する異常な現象でその影響が頭首工に及ぶものが発生したときは、その発生後、速やかに頭首工の点検を行い、頭首工に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第17条 頭首工及びその周辺について、異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに、別表第2によりその旨を通報しなければならない。
(洪水警戒時における措置)
第18条 洪水警戒時においては、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 洪水時において、頭首工及びその周辺を適切に管理することができる要員を確保すること。
(2) 通報施設及び別表第1のスピーカー並びに携帯用の電灯、その他頭首工を管理するために必要な機械及び器具(受電及び受電した電気の使用のための電気設備を含む。)について、点検及び整備を行うこと。
(3) 気象官署が行う気象の観測の成果を的確かつ迅速に収集すること並びに河川流量及び河川水位の時間的変化を把握すること。
(4) その他頭首工の管理上必要な措置
(洪水時における措置)
第19条 洪水時においては、前条に掲げる措置のほか、洪水吐ゲートは全開の状態に操作しなければならない。
(管理日誌)
第20条 管理者は、管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 気象
(2) 水象
(3) 取水量
(4) 取水ゲートの操作の時刻及び開度
(5) 点検及び整備に関すること。
(6) その他頭首工の管理に関すること。
附則
この規則は、平成31年2月1日から施行する。
別表第1(第15条第2項、第18条関係)
スピーカーの名称 | スピーカーの位置 | スピーカーの構造又は能力 | 摘要 |
第1号 スピーカー | 紋別郡湧別町南兵村一区3081番地 (湧別川右岸管理棟屋上) | 出力200W (100W×2) | 音達距離 約0.5km |
広報車 | ― | ― |
別表第2(第17条関係)
通知の相手方 | 通知又は通報の方法 | 摘要 | |
名称 | 担当機関の名称 | ||
北海道開発局長 | 網走開発建設部 遠軽開発事務所 | 加入電話 TEL 0158―42―2181 | |
北海道開発局長 | 網走開発建設部 公物管理課 | 加入電話 TEL 0152―44―6384 |
別図第1(第12条関係)
放流限度量曲線図