○湧別町地域密着型サービス等事業者指導監査要綱
平成22年12月7日
訓令第11号
(目的)
第1条 この要綱は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう、指定地域密着型サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び指定介護予防支援事業者(以下「事業者」という。)に対し、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)に基づく指導監査の基本的事項を定めることにより、介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)の対象となるサービス(以下「介護給付等対象サービス」という。)の質の確保及び向上並びに保険給付の適正化を図ることを目的とする。
(指導方針)
第2条 指導は、事業者に対し各種指導形態によって、利用者の自立支援及び尊厳の保持を念頭において、事業者の支援を基本とし、介護給付等対象サービスの取り扱い及び介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求等に関する事項について周知徹底させることを方針とする。
(指導形態)
第3条 指導の形態は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 集団指導 町長が主体となり、指定又は許可の権限を持つ事業者に対し、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び高齢者虐待事案をはじめとした過去の指導事例等に基づく指導内容について、年1回以上、一定の場所に集めて講習等の方法により実施する。なお、オンライン等(オンライン会議システム、ホームページ等。以下同じ。)の活用による動画の配信等による実施も可能とする。
ア 介護サービスの実施状況指導 個別サービスの質(施設・設備や利用者等に対するサービスの提供状況を含む)に関する指導
イ 最低基準等運営体制指導 基準等に規定する運営体制に関する指導(ウに関するものを除く。)
ウ 報酬請求指導 加算等の介護報酬請求の適正実施に関する指導
(3) 実施頻度 運営指導は、原則として指定又は許可の有効期間内に少なくとも1回以上運営指導を実施する。なお、地域密着型サービス(居住系サービス又は施設系サービスに限る。)については、3年に1回以上運営指導を実施する。
(4) 運営指導の内容 運営指導の実施に当たっては、基準等への適合性に関し、事業者による自己点検を励行し、第2号ア及びイについては、介護サービスの質の確保、利用者保護等の観点から重要と考えられる標準的な確認すべき項目(以下「確認項目」という。)及び標準的な確認すべき文書(以下「確認文書」という。)に基づき実施する。なお、サービス種別毎の確認項目及び確認文書については「介護保険施設等運営指導マニュアル」(「介護保険施設等運営指導マニュアルについて」令和4年3月31日老発0331第7号厚生労働省老健局通知)添付のとおりとする。また、運営指導(第2号ア及びイに限る。)においては、確認項目以外の項目は、特段の事情がない限り確認を行わないものとし、確認文書以外の文書は原則求めないものとする。
(指導対象)
第4条 指導は全ての事業者を対象とし、効率的な指導を行う観点から、その選定については、次の各号に掲げる基準を標準とし、一定の方針に基づいて実施する。
(1) 集団指導の対象 町長が指定、許可の権限を持つ全ての事業者を対象に行う。なお、町長は、その指導内容等により、サービス種別毎の実施や新規指定又は管理者の変更があった事業者を対象として別途実施する等、より一層内容の理解が図られるよう努める。
(2) 運営指導の対象 一般指導は、実施頻度や個別事由を勘案し、原則毎年度、計画的に実施できるよう町長が、事業者を選定する。また、合同指導は、一般指導の対象とした事業者から選定する。
(北海道との連携)
第5条 前条の規定により選定された事業者の指導は、北海道と連携を図り、必要な情報交換を行うことで適切な集団指導及び運営指導の実施に努めるものとする。
(指導方法等)
第6条 指導の実施については、指導形態に応じて、次の各号に掲げる方法により行う。
(1) 集団指導
ア 実施通知 町長は集団指導の日時、場所、出席者、指導内容等を文書等により当該事業者に対して原則として2月前までに通知する。
イ 指導方法 実施に当たっては、事業者に対して、指導内容の理解を深めるため質問や個別相談等の機会を設ける等、工夫する。また、実施体制等により単独での実施が困難な場合は、北海道又は近隣市町村との合同で実施する。また、実施に当たって、その内容について北海道との整合を図るため、情報提供を行う等、連携を図るものとする。なお、集団指導に参加しなかった事業者に対しては、使用した資料の送付等により確実に資料の閲覧が行われるよう情報提供するとともに、オンライン等の活用による動画の配信等による場合は、配信動画の視聴や資料の閲覧状況について確認する。
(2) 運営指導
ア 実施通知 指導対象となる事業者を決定したときは、次に掲げる事項を文書により事業者に原則として1月前までに通知する。ただし、指導対象となる事業者において高齢者虐待が疑われる等の理由により、あらかじめ通知したのでは当該事業者の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知するものとする。
(ア) 運営指導の根拠規定及び目的
(イ) 運営指導の日時及び場所
(ウ) 指導担当者
(エ) 事業者の出席者(役職名等で可)
(オ) 準備すべき書類等
(カ) 当日の進め方、流れ等(実施する運営指導の形態、スケジュール等)
イ 出席者 運営指導に当たっては、指導対象となる事業者の管理者の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求担当者等の関係職員の出席を求めることができる。
ウ 指導方法 運営指導は、関係者から関係書類等を基に説明を求め面談方式により実施する。なお、施設・設備や利用者等のサービス利用状況以外の実地でなくても確認できる内容(最低基準等運営体制指導及び報酬請求指導に限る。)の確認については、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等を活用することができる。活用に当たっては、事業者の過度な負担とならないよう十分に配慮する。
エ 指導体制 2人以上の班を編成し、うち1人は主査職以上とする。
オ 運営指導の留意点
(ア) 所要時間の短縮等 運営指導の所要時間については、確認項目を踏まえることで、一の事業所当たりの所要時間をできる限り短縮し、事業者と町双方の負担を軽減し、運営指導の頻度向上を図る。
(イ) 同一所在地等の運営指導の同時実施 同一所在地や近隣に所在する事業者に対する運営指導については、できるだけ同日又は連続した日程で行うなどにより効率化を図る。
(ウ) 関連する法律に基づく監査の同時実施 老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく監査との合同実施については、事業者の状況を踏まえた上で、町の担当部門間で調整を行い、同日又は連続した日程で行うことを一層推進する。
(エ) 運営指導で準備する書類等 運営指導において準備する書類は、原則として、前年度から直近の実績に係るものとし、事業所に対して運営指導の事前又は当日に提出を求める資料及び書類の写等については1部とし、町が既に保有している文書(新規指定時、指定更新時及び変更時に提出されているもの等)については再提出を求めない。また、事業所において作成、保存等が行われている各種書面について、当該書面に代えて電磁的記録により管理されている場合は、ディスプレイ上で内容を確認することとし、別途、印刷した書類等の準備や提出は求めない。
(オ) 利用者等の記録等の確認 利用者等へのサービスの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、対象は原則として3名以内とする。ただし、居宅介護支援事業所については、原則として介護支援専門員1人当たり2名以内の利用者についてその記録等を確認する。
(カ) 事務受託法人等の活用 実施体制等により単独での実施が困難な場合や第3条第3号で規定する実施頻度で実施することが困難な場合は、法第24条の2第1項第1号に規定する指定市町村事務受託法人の活用や地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の7に規定する機関等の共同設置を行うなど、複数の市町村と合同で実施すること等について検討するものとする。
カ 指導結果の通知等 運営指導の結果、人員、施設及び設備又は運営について改善を要すると認められる事項及び介護報酬請求について不正には当たらない軽微な誤りが認められ過誤による調整を要すると認められる事項は、後日文書によってその旨を通知するものとする。
キ 報告書の提出 文書で通知した事項については、文書により報告を求めるものとする。
ク 監査への変更 運営指導中に次に該当する状況を確認した場合は、運営指導を中止し、直ちに監査を行い、事実関係の調査及び確認を行うものとする。
(ア) 介護給付等対象サービスの事業の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準に従っていない状況が著しいと認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(イ) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(ウ) 不正の手段による指定等を受けていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(エ) 高齢者虐待等により、利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(指導に当たっての留意点)
第7条 指導は、介護保険施設等運営指導マニュアルに基づき行うものとし、特に次の各号に留意するものとする。
(1) 高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導や、より良いケア等を促す助言等については、事業者との共通認識が得られるよう留意する。
(2) 適正な事業運営等に関し効果的な取組を行っている事業者については、積極的に評価し、他の事業者へも紹介する等、介護サービスの質の向上に向けた指導を行う。
(3) 運営指導は、基準等に基づき行うものとし、担当職員の主観に基づく指導や、当該事業者に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導は行わない。
(4) 運営指導における個々の指導に当たっては、具体的な状況や理由を聴取し、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行う。
(5) 運営指導の際、事業者の出席者については、必ずしも事前に通知した者に限定することなく、実情に詳しい従業者や経営する法人の労務・会計等の担当者が同席することは差し支えない。
(自主点検に伴う自主返還)
第8条 運営指導において介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の算定若しくは請求に関し過誤が認められたときは、当該事業者に対し、指摘事項に係る自主点検を指示する。
(監査方針)
第9条 監査は、事業者の介護給付等対象サービスの内容について、第15条から第18条までに規定する行政上の措置に該当する内容であると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合、又は介護報酬の請求について不正を行っていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合、又は不正の手段により指定等を受けていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合(以下「指定基準違反等」という。)、又は介護給付等対象サービスの利用者又は入所者若しくは入居者(以下「利用者等」という。)について高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)(以下「高齢者虐待防止法」という。)に基づき町が虐待の認定を行った場合若しくは高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる場合(以下「人格尊重義務違反」という。)において、事業者に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは事業者の事業所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査(以下「立入検査等」という。)を行い、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置をとるためにこれを行う。
(監査対象の選定)
第10条 監査は、次に掲げる情報を踏まえて、指定基準違反等又は人格尊重義務違反の確認について必要があると認められる場合に立入検査等により行うものとする。
(1) 通報、苦情、相談等に基づく情報
(2) 町が、高齢者虐待防止法に基づき虐待を認定した場合又は高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる情報
(3) 国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)、地域包括支援センターへ寄せられる苦情
(4) 連合会、保険者等からの通報情報
(5) 介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す事業者
(6) 法第115条の35第4項の規定に該当する報告の拒否等に関する情報
(7) 運営指導における情報
(監査実施通知)
第11条 監査対象となる事業者を決定したときは、次に掲げる事項を文書等により監査開始時に通知する。なお、第6条第2号クの規定により、運営指導中に監査に移行した場合は、口頭により当該事項を含め監査を実施する旨通告する。
(1) 監査の根拠規定
(2) 監査の日時及び場所
(3) 監査担当者
(4) 監査対象事業者の出席者(役職名等で可)
(5) 必要な書類等
(6) 虚偽の報告又は答弁、検査忌避等に関する罰則規定
(情報提供等)
第12条 町長は、監査の実施に当たっては、事前に、関係する保険者及び事業者を指定している全ての市町村長に情報提供を行い、必要に応じ同時に監査を実施する等の連携を図るものとする。
(出席者)
第13条 監査に当たっては、監査対象となる事業者の開設者(又はこれに代わる者)及び管理者(管理者であった者を含む。)の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求担当者等の関係職員(従業者であった者を含む。)の出席を求めることができる。
(監査体制)
第14条 2人以上の班を編成し、うち1人は管理職とする。
(行政上の措置)
第15条 町長は、事業者について、指定基準違反等又は人格尊重義務違反が認められた場合は、法第5章に掲げる「勧告、命令等」、「指定の取消し等」の規定に基づき行政上の措置をとるものとする。
2 町長は、前項に規定する行政上の措置を行う場合には、事前に北海道知事に情報提供を行うものとする。
(勧告)
第16条 町長は、事業者に指定基準違反等(介護報酬の請求に関することを除く。)の事実が確認された場合、当該事業者に対し、期限を定めて、文書により基準の遵守等の措置をとるべきことを勧告することができる。
2 町長は、前項の勧告に当該期間内に事業者が従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3 第1項の規定により勧告した場合は、事業者に対し期限内に文書によりとった措置について報告を求める。
(命令)
第17条 町長は、事業者が正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命令することができる。
2 町長は、前項の命令をした場合は、その旨を公示しなければならない。
3 第1項の規定により命令した場合は、当該事業者に対し期限内に文書によりとった措置についての報告を求める。
(指定の取消等)
第18条 町長は、指定基準違反等又は人格尊重義務違反の内容等が、法第78条の10各号、第84条第1項各号、第115条の19各号及び第115条の29各号のいずれかに該当する場合においては、当該事業者に係る指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力の停止をすること(以下「指定の取消等」という。)ができる。
(聴聞等)
第20条 町長は、監査の結果、当該事業者が命令又は指定の取消等の処分(以下「取消処分等」という。)に該当すると認められる場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会を付与しなければならない。ただし、同条第2項各号のいずれかに該当するときは、これらの規定は、適用しない。
(行政上の措置の通知)
第21条 町長は、取消処分等を行ったときは、当該事業者に対し措置の種類、根拠規定、その原因となる事実、不服申立に関する事項等について文書により通知するものとする。ただし、取消処分等に至らないと認められるときは、実地指導に準じた指導をするものとする。
(行政上の措置の公示等)
第22条 町長は、監査の結果、指定の取消等を行ったときは、速やかにその旨を公示するとともに、北海道、関係市町村、国保連等の関係機関に対し、これを連絡するものとする。
(経済上の措置)
第23条 町長は、監査の結果、取消処分等(命令を除く。)を行った場合に、当該事業者が法第22条第3項に規定する偽りその他の行為により介護報酬の支払いを受けている場合には、その支払った額につきその返還させるべき額を不正利得とし、当該不正利得の徴収を行うものとする。
2 町長は、前項の不正利得については、当該事業者に対し、原則として、法第22条第3項の規定により返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を併せて徴収するものとする。
(事業者からの現況報告)
第24条 町長は、事業者から、別に定める現況報告書を毎年5月末日までに提出させるものとする。
(関係機関との連携)
第25条 監査にあたっては、北海道、関係市町村及び国保連と連携を図り、合同で監査を実施するなど効率的に行うものとする。
(その他)
第26条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は町長が定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成28年9月12日訓令第10号)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成30年12月20日訓令第10号)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成31年3月20日訓令第1号)
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月29日訓令第4号)
この要綱は、令和6年4月1日から施行する。